エステの脱毛が罪に問われるとき
「医師法17条が全ての始まりだった」が問題の中心になるのですが、エステの脱毛行為のうち、 「医師の医学的判断及び技術」抜きには「人体に危害を及ぼすおそれのある行為」は医師の独占的業務の範疇だとしています。 つまり、医師以外の者が行えば「違法」ということです。
レーザーやIPL、光脱毛において医師独占業務と断定されているのは、現在までに通達等が出されている以下のものです。
- 医療用のレーザー等脱毛機器を使用しての処置
- 医療用に限らず、レーザーや強力なエネルギー光線を使って毛乳頭、皮脂腺開口部等を一部でも破壊する行為
- 立毛筋の基部に存在する幹細胞を一部でも破壊する行為
エステがこれを行うと「違法」ということになるのですが、「違法」であっても悪質でなければ「罰せず」というのが 今の厚生労働省の方針のようで、非常に中途半端な対応といわざるを得ませんが。(取り締まらないんだったら合法にしろよ!みたいな)
「悪質」と判断されて捕まったら、刑法,民法,医師法、時には医療法違反にも
経営者だけでなく、実際に施術に当たったエステティシャンも処罰の対象になるので要注意です。
刑法で「傷害罪」、民法で「不法行為責任による損害賠償」の対象となります。さらに、「医師法違反」を問われるのは言うまでもありません。 また、「医療法違反」も加わることがあります。
刑法204条
「人の身体を傷害した者は、十年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する」
ただし、警察に被害届けを出し告訴する必要があります。
民法709条
「故意又は過失によって他人の権利を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責に任す」
医師法第17条
「医師でなければ医業をなしてはならない」
医療法第7条(分かりにくい文章なので概要のみ)
「臨床研修修了医師でない者が診療所を開設しようとするときは、開設地の保健所を設置する市区長の許可を受けなければならない」
以上、4つの罪に問われる可能性があります。
医療法第7条については、たとえば医療用の脱毛レーザーを使用して脱毛行為に及んでいた場合や医療用塗布麻酔を使用していたりしたら、 そのエステティックサロンが無許可の「診療所」であると判断されるケースを指します。
著名な判例がありますので以下、例にあげます。
高槻シャトレーヌ事件
大阪府高槻市のエステティックサロンにおいて、医療用レーザー脱毛機器を使用して脱毛行為に行っていたこと等に対し、 平成12年9月19日、大阪地方裁判所は懲役1年6ヶ月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。
- 医療レーザー脱毛機器で脱毛をした行為(医師法17条違反)
- 針を使ったアートメイクをした行為(医師法17条違反)
- 高槻市の保健所を管轄する市長の許可を得ないで医師でない者が診療所を開設した行為(医療法7条1項違反)
つまりこのエステティックサロンは、「医業」を「無許可の診療所」で「管理医師がいないのに」やっていたと判断されてしまったわけです。
なお、
医師法違反については、被害者が出て刑事告訴したり、医療施設もどきの行為だったりの、特に悪質なものについて 医師法違反で取り締まる方針ですので、それ以外は「見解として医師法違反」であっても刑罰を加えるところまで追い込むつもりはない。という のが現在の厚生労働省としての方針のようですね。あくまでも、「厚生労働省医事課」の判断とは異なりますが。